
食の魅力と大切さを発信する芦田ポートリー
山に囲まれ田んぼが広がる景色の中で元気な鳥たちの姿がみられる。
今回ご紹介するのは丹波市氷上町の芦田ポートリー。
「安心・安全な卵」を作ることはもちろん、それを通じて「食の魅力と大切さ」を発信されています。
風と光が心地よい鶏舎作り
自然に囲まれた事務所のすぐ隣にあるのが、芦田ポートリーの平飼い鶏舎だ。
この鶏舎では1000羽が養鶏されている。鳥たちは自由に鶏舎を出入りし、自然に生えている草をつっついたり、紛れ込んだカエルを取り合ったりと自然な姿で元気に動き回っている。
また、少し離れた場所には、風通しの良い開放型鶏舎には1万羽が養鶏されていおり、どちらも鶏達にとって風と光りが心地よい鶏舎であることを意識して作られている。
こだわりの「安心・安全なエサ」
卵が作られる上で重要なのは鳥たちが何を食べて育つか。
芦田ポートリーでは与えているエサは安心安全な、PHF(ポストハーベストフリー、収穫後農薬不使用)、NON-GMO(遺伝子組換えでない)のとうもろこしや大豆を中心に、地元の米や野菜、酒粕などを発酵させた飼料。
隣の宮垣農産の有機JAS人参なども季節によって贅沢に食べさせている。
更にこの土地は恵まれた水の環境にあり、ミネラル豊富な水が山から流れ込む。その水を活性化させたものと質の良いエサで鳥たちは育っている。
鳥たちが健康であることを第一に、美味しいたまごが作られる。またこのような飼育をしている生産者の顔がわかることが私達にとって大きな安心感に繋がるであろう。
芦田ポートリーではPHFとNON-Gのエサを与えられているのが日常であるが、実際に市場では約1割ほどだとされていることから、希少であることがわかる。
こだわりの平飼いたまごから作られる、こだわりの商品
芦田ポートリーは、こだわりの平飼い卵を使用した商品にも力を入れている。
その中の一つ「なめらかプリン」は卵と、同じ丹波市内にある丹波乳業の最高級ノンホモ牛乳を使用。たまごの濃厚さと優しい甘みの牛乳、素材の旨味が伝わる一品です。
また雑誌でも取り上げられた「濃いキャロットケーキ」は卵だけではなく、鳥たちが食べているものと同様、隣の宮垣農産の有機JAS人参をふんだんに使用。
どの商品においても、しっかりとたまごの味を感じてもらえるように、贅沢に卵をたっぷり使用しているという。
また、ハムとソーセージの販売もされている。上質なエサで育った平飼いの鶏のみを使用し、何度も試作を重ね、ハーブで香りを消したりすることなく、なるべく鶏の味がダイレクトに感じられるように作り上げられている。
お惣菜の販売も開始されており、中でも「丹波路野菜の洋風茶碗蒸し」は、その名の通り丹波市産のお野菜のみを使用し、牛乳は丹波市にある丹波乳業さんのノンホモ牛乳を使用。販売の際には、使用しているお野菜の農家さんの紹介もしながら販売している。
そのほかに社長自らレシピを考案した、出し巻や煮玉子もイベントなどでも販売。
目指すは6次産業化
販売はイベントや卸売、事務所で行われている。今後は、事務所に直売所を作り、お惣菜などの販売も広がっていけたらと語ってくれた。
また、現在エサに使用しているとうもろこしなどは輸入のものだが、今後はそれを自家製の発酵鶏糞堆肥を使用したお米や野菜に変えていき、またそれを惣菜加工や菓子製造に使用し循環させていく、6次産業を目標としている。
(左:関さん、右:芦田社長)
今後も卵の生産とスイーツやお惣菜の加工品を通して、農家や生産者の想いを広めていきたい。更に商品を食べてもらい「丹波に行ってみたい」や「丹波っていい所だな」と思ってもらえたらという想いが込められている。
現在の取引、販売形態は
自家直売所、百貨店、飲食店、イベント出店、オンラインショップ